【Avid】 Pro Tools 2021.6 - リリース
Pro Tools 2021.6 - リリース
6月25日、待望のPro Tools 2021.6がリリースされました!
今回の大幅なアップデートは、Pro Tools 生誕 30周年 に相応しい革新的アップデートとなっております。
アップデートの主な内容 | INDEX
- HDX Hybrid Engine - ニア ゼロテイテンシーによる『HDX DSP』と『CPU Native』 のハイブリッド処理によるパフォーマンスの向上
- オーディオ I/O の増加
- Apple Silicon “M1” 搭載Macのサポート ( Rosetta 2 )
- より洗練されたユーザーインターフェイスと、そのカスタマイズ機能
- Nativeモード時のサイド・チェーンも自動遅延補正に対応
- H.265 / HVECフォーマットのビデオをサポート
- ビデオエンジンのパフォーマンス向上
- バウンスミックスウィンドウの機能改善
- Pro Tools 2021.6 その他の追加機能 / 改良点
1 . ハイブリッドエンジン(Hybrid Engine) とは?(Pro Tools | Ultimateのみ)
既に実現されていた Pro Tools|Carbonの仕組みと同じく、HDX に搭載されている DSP の遅延の無いレコーディングやインプットモニター、リアルタイムエフェクト利用など、DSP処理の有利な点と、CPUパワーによる圧倒的な演算能力によるボイス数の拡張がHDXシステムでも遂に実現されました。
その拡張されたボイス数は、なんと2048ボイス! この場合のボイス数は、これまでのDSPチップによる管理と異なり、CPUパワーによる管理下に入る為、HDXカードの拡張は必要なくHDXカード一枚のシステムでも実現可能です。
この革新的な仕様変更は、Pro Tools 2021.6をインストールした全ての Pro Tools|Ultimate ユーザーに提供されます。ソフトウェアの更新のみでHDXハードウェアが新世代HDXに激変します!
この革新的な仕組みを十分理解されたい方は、Avidオフィシャルブログにてご確認ください。
https://www.avidblogs.com/ja/hdx-hybrid-engine/
2 . オーディオ I/O の増加 ( Pro Tools 及びPro Tools | Ultimate )
Pro Tools Native環境のユーザーは、Core Audioドライバー等で利用できるオーディオ入出力が最大64chまで拡張。また Pro Tools|Ultimateでは、HDX 及び Hybrid Engineモード時には 192ch となりました。( Core Audioドライバーなど Native 環境下では64chまでとなります)このアップデートに伴い、扱えるオーディオトラックも、Pro Tools = 256ch (モノ/ステレオ)、Pro Tools|Ultime = 2048ch(モノ/ステレオ/サラウンド)と、ボイス数に合わせたアップデートとなっております。
最大数
Pro Tools|First | Pro Tools | Pro Tools|Ultimate | |
---|---|---|---|
I/O |
4 |
64 |
64 (非HDX時) 192 (HDXハイブリッド・エンジン及びHDX クラシック時) |
オーディオトラック |
16 ( モノ / ステレオ ) |
256 ( モノ/ステレオ ) |
2048 ( モノ/ステレオ/サラウンド ) |
ボイス |
16 / 32 ( モノ/ステレオ ) |
256 / 512 ( モノ/ステレオ ) |
2048 (非HDX時) , 2048 (HDXハイブリッド・エンジン時) , カード毎に256 (最大768 - HDX クラシック時) |
3 . Apple Silicon “M1”ベースのMacでの動作が可能に! ( 全てのPro Tools )
Pro Tools 2021.6では、Pro Tools|First , Pro Tools 及び Pro Tools|Ultimate の各ソフトウエアが、AppleのM1プロセッサー搭載Macで動作することが可能となりました。 全 Pro Tools 2021.6 ソフトウエア 及びそこに含まれる Avid プラグイン、さらには、その上で動作する Avid コントロール・サーフェスは、Rosetta 2 を介してM1ベース Mac 上の macOS Big Sur に対応しています。
ご注意
- Avid ビデオ・エンジンは、現時点ではApple silicon ( M1 )に正式対応していません。
- Pro Tools HDX, HD Native及びDADMan software ( MTRX & MTRX Studio ) は、Apple silicon ( M1 ) に正式対応していません。
- ソフトウエアをアップデートする前に、お使いのサードパーティー製プラグインその他のプログラムが正式にApple silicon ( M1 )に対応していることを確認してください。
▼ macOS Big Sur 対応状況並びにその他の Pro Tools 動作要件に関しては、以下のリンク先よりご確認ください。
4 . ダーク 及び クラシック UI テーマのカスタマイズ ( Pro Tools 及び Pro Tools | Ultimate )
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Pro Tools 2021.6では、ユーザー・インターフェイスの色や明度が自由に変更可能となり、お好みの設定をプリセットとして保存し、いつでも呼び出すことができるようになりました。さらに、Pro Toolsの再起動無しで、ダーク・テーマとクラシック・テーマの切り替えも可能となりました。
商用スタジオにて、異なるエンジニア毎にお気に入りのユーザーインターフェイスを瞬時に切り替えることができるようになったのです!
5 . サイド・チェーン時の自動遅延補正対応 ( Pro Tools 及びPro Tools | Ultimate )
これまで Pro Tools HDX 上でのみ可能だった、サイド・チェーン時の自動遅延補正が Pro Tools 及び Pro Tools | Ultimate ソフトウエアでも可能となりました。これにより、サイド・チェーンされたトラック同士の完璧なシンクを、両ソフトウエア上で実行できるようになります。
6 . H.265 / HEVC フォーマットのビデオサポート ( Pro Tools | Ultimate のみ )
低ビットレートでより高品位な映像を実現できるため映像クリエイター間で人気の高い、H.265 / HEVC ( High Efficiency Video Coding ) に対応しました。Pro Tools|Ultimateを使い、この H.265 ビデオ・コーデックでのサウンド・プロジェクト作業が可能となり、インポート/エクスポートにも対応しています。
7 . ビデオエンジンのパフォーマンス向上 ( Pro Tools | Ultimate のみ )
Pro Tools Ultimate 2021.6では、ポスプロダクションにおいて必要となるビデオエンジンのパフォーマンスもアップデートされました。 DNxHD, DNxHR及びApple ProRes 時のMOVファイルへの「ソースと同じバウンス」を新たに搭載することで、ムービーの高速な書き出しに対応しました。
8 . バウンスミックスウィンドウの機能改善
MOVファイル内 AAC エクスポート に対応し、CBR(固定ビットレート)とVBR(可変ビットレート)圧縮のいずれかでH.265へのエクスポートを実現します。 また待望のバウンス時のQuick Timeチャンネル・フォーマットが拡張できるようになり、バウンスミックス時にチャンネルフォーマットの制限なしに、セッションで使用されるバスと出力を含めることができるようになりました。更にMOVインポート時に含まれているApple Losslessオーディオ(ステレオ)の取り込みも、セッションフォーマットに変換されてインポート可能になりました。
9 . Pro Tools 2021.6その他の追加機能/改良点
- クリップ無しトラックのチャンネル幅の変更
- 異なったチャンネル幅を持つトラックへのプラグインのドラッグ・アサイン
- チャンネル幅別トラック表示フィルター( Pro Tools | Ultimateのみ )
- Intel Turbo Boost 有効 / 無効 ( ファン・ノイズ管理 )( Intel Turbo Boost 使用可能なIntel Mac上のPro Toolsのみ )
- SyncX / Sync HD使用時改善点 ... 他
- Avid Link起動時のCPU高負荷現象の改善
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