SpillでPro Toolsのサラウンドトラックを手軽に操作。
プロダクト紹介
SpillでPro Toolsのサラウンドトラックを手軽に操作
Spill AAXプラグインは、Pro ToolsのAUXトラックやマスターなど、ステレオから7.1形式まで全てのマルチチャンネル・トラックにインサートして使用することができます。遂に、マルチチャンネルトラックに含まれる個別のチャンネルのレベルをプラグイン内のフェーダーにスピルさせることで各チャンネルのレベルを簡単に操作できるようになりました。メーターやゲイン値を調整するのに、7.1チャンネルであれば8本のフェーダーでレベルを操作することが可能になりました。
Spillのチャンネルフェーダーは、例えば、フェーダー上部のチャンネル名をタップするだけでグループに加えたり除外したりすることができますので、サラウンドチャンネル内の個別のチャンネルをグループ化し、簡単かつ迅速に調節することができます。フェーダーのレベルとバイパスはPro Toolsでオートメーションできますので、ミックス内の短い区間で異なるSpillの設定を管理することができます。
Pro ToolsエキスパートによるSpill説明ビデオ
Pro Toolsエキスパートであるマイク・ソーントン氏がPro ToolsセッションでSpillがどのように機能し、Pro Tools DockやiPad及びiPhoneに対応したV-PlugInアプリとどのように融合するかを説明します。
グループチャンネルを迅速かつ正確に調整
Spillプラグインのチャンネルは、グループ化して迅速かつ簡単に操作することができますので、L/Rやサラウンドチャンネルのペアリングに便利です。単純に、フェーダーの上にあるチャンネル表示記号をクリックするだけで、グループへの追加やグループからの除外ができます。
相対的なグループですので、フェーダーのレベルの相関関係はロックされており、グループに追加されたフェーダーのオフセットは簡単に設定できますので、簡単に複数のフェーダーをグループ化することができます。グループ内のフェーダーのどれか一つを動かすと、グループされた全てのフェーダーのレベルが調整されます。
MacではCommandキー、ウィンドウズではAltキーを押しながら操作することで、精緻なフェーダー調整ができます。
ファイナルミックス、プリダブ、そしてサウンドデザインに最適
リレコーディング(ダビング)・ミキサーでサウンドスーパーバイザーでもあるトム・マークス氏が、ポール・ネイリンクによるプラグイン設計の重要性に納得し、「Spillはリレコーディングにも編集作業にも適しているけれど、最も力を発揮するのはファイナルミックスにおいてであり、そこでこそ大きな仕事をするんだ」と述べました。
「煩雑な音響効果のシークエンスでは、LやRといったプリダブのチャンネルを手早く調整し、音楽のためのスペースを作ったり、音響効果を突き出た感じにしたりすることができるんだ。マルチチャンネルの音楽のステムがある場合は、サラウンドを持ち上げたり、センターチャンネルを下げたりすることもできるね」とマークス氏。
サラウンドチャンネルを操作
トム・マークス氏はSpillのサラウンドチャンネルに対する操作性能も気に入っており、これについては「全体レベルでの応用も可能なんだ。例えば、小さな部屋でミキシングを始め、その後、大きなダブステージへ移る場合、サラウンドやLEFの全体レベルを調整しなければならないことがあるよね。それに、ニアフィールドの家庭用ビデオバージョンを制作する際は、ステムの調整を行わなければならないのだけど、これにもSpillは完璧なんだ」とコメント。
AudioSuiteバージョンは編集作業に最適であり、クリップ全体を通して個別のサラウンドチャンネルの調整が必要な場合などに便利です。大きなセッションやファイナルミックスには、レーテンシーが少なく、全てのグループに対し、パワフルな操作性を発揮するAAX DSPバージョンが最適です。
Avid S6及びS3からSpillを操作
S6コントロールサーフェースは、VCAグループをスピルすることはできますが、マルチチャンネルトラックやバスの個別のチャンネルをスピルすることはできません。
Spillプラグインを使用すると、エンジニアはS6のチャンネルストリップのノブもしくは、エクスパンド・モードの8つのチャンネルストリップ上からこの機能にアクセスすることが可能になります。‘Sel’ボタンでチャンネルをグループに加えたり、グループから除外したりすることができ、‘In’ボタンでバイパスします。
S3のノブでもSpillを操作することができますし、ノブとフェーダーをフリップすることで、スピルしたチャンネルの操作が更に簡単になります。
V-PlugInでiPadやiPhoneからSpillを操作
SpillはV-PlugInアプリをサポートした最初のプラグインであり、これにより、iPadやiPhoneから迅速にトラックやプラグインにアクセスすることができます。V-PlugInアプリはV-Control Proバンドルに同梱されます。
V-PlugInアプリはSpillを使用するトラックのリストを表示しますので、ユーザーはコンピューターでプラグイン画面を表示させることなく、トラック名をタップするだけで簡単にチャンネルレベルにアクセスすることができます。チャンネルのグループ化とグループ解除は、単純にフェーダー上部にあるチャンネル表示記号をタッチするだけで行えます。
サポート・プラグイン・フォーマット
SpillはPro Tools用のAAX Native、AAX DSP、AudioSuiteプラグインをサポートしています。
Spillは、ハイエンドのデジタル・フィルム・コンソールに搭載されている "スピル"機能と同様に、サラウンド・オーディオおよびバス・トラックのチャンネル・レベルを調整することにより、大幅な作業時間の短縮を可能にします。 SpillはAvidコントロールサーフェスとV-PlugInアプリをサポートしています。