進化し続けるマルチエフェクター「H90 Harmonizer」に新アルゴリズムが登場!①〜VocalTune編〜

目次


はじめに

かえるのうたが 聞こえてくるよ〜♪

この曲のタイトル、「かえるのうた」ではなく「かえるの合唱」なんですね。

さて、かえるといえばケロケロボイス
声を特定の音程に強制的に合わせることで生まれるケロケロした音のこと、いわゆるオートチューンですね。
ここ数十年でボーカルエフェクトとしてかなり主流になりました。

例えばこんな感じ。

褪せぬ名曲
オートチューン流行のきっかけとなった曲

近未来的でおしゃれなエフェクトですね。


今回のテーマ

では早速本題へ。

高音質な空間系エフェクトを数多く収録しているEventideのマルチエフェクター「H90 Harmonizer」。
今年4月、新たなアルゴリズムが追加されました。

それが…

VocalTuneVocalShift!!

VocalTune:繊細なピッチ補正から大胆な音響表現まで可能とするボーカル・エンハンスメントのための究極ツール
VocalShift:一つの声を豊かで生き生きとしたクワイアに変貌したり、繊細なダブリングから広がりのあるボーカル・アンサンブルなどを創り出す

こちらの記事も参考に!

このエフェクト、本当に最高なんです!!
非常に精密で使いやすい。
是非とも全人類に知ってほしい。

そこで、これらのアルゴリズムを今回から2回に分けて紹介していきたいと思います。
まずは「VocalTune」から!!

VocalTune

  • 正確なスケール量子化により、ピッチを完璧にコントロール
  • ピッチおよびフォルマントのシフトで声の質感を自由に調整
  • ゲートおよびコンプレッサーによる簡単な音作り

パラメータ一覧

  • Root:キーを設定する
  • Scale:スケールを設定する(Major, Minor, Chromatic, Ionian, Dorian, Phrygian, Lydian, Mixolydian, Aeolian, Locrian, Harmonic Minor, Harmonic Major, Minor Pentatonic, Major Pentatonic, Whole, Melodic Minor)
  • TuneRef : ピッチの基準音(400-480Hz)
  • Tuning Speed : ピッチ補正が完了するまでの時間(0-500ms)
  • Quant Error : ピッチ補正の精度/スケール音との誤差(0-50c)
  • Formant
  • Comp Thresh
  • Comp Ratio
  • Comp Attack
  • Comp Release
  • Comp Gain
  • Gate Thresh
  • Bass
  • Treble
  • In Gain
  • Out Gain
  • Tails:ディレイやリバーブに対して補正を行うかどうか
  • Kill Dry

検証

今回は男声/女声の2種類のボーカルで試してみました。
※AIボイスチェンジャーによって作成した音声なので、音質があまり良くありませんが、ご了承ください。

男声

・エフェクトOFF

・エフェクトON

女声

・エフェクトOFF

・エフェクトON

素敵!!!!
今回はTuningSpeed(ピッチ補正が完了するまでの時間)を0にして、最大にケロケロなるよう設定しました。

ちなみにパラメータの設定は次のとおり。

  • Root : A
  • Scale : Major
  • TuneRef : 440Hz
  • Tuning Speed : 0ms
  • Quant Error : 0c
  • Formant : 0c
  • Comp Thresh : -20.0dB
  • Comp Ratio : 1.0:1
  • Comp Attack : 8.0ms
  • Comp Release : 295.0ms
  • Comp Gain : 0dB
  • Gate Thresh : -60dB
  • Bass : 0dB
  • Treble : 0dB
  • In Gain : 0dB
  • Out Gain : 0dB
  • Tails : Off
  • Kill Dry : Global

応用プリセットがたくさん!

H90では2つのエフェクトを掛け合わせることができるため、このVocalTuneを使用したプリセットが収録されています。
リバーブをかけたり、歪ませたり、揺らしたり…
非常に沢山の効果が得られるので最高です!!

コチラで雰囲気掴めるかも↓


まとめ

H90はギターのためのエフェクターだと思っていましたか?
いいえ、様々な楽器やボーカルに対して使うことができるのです。
シンセやボーカル、そしてかえるの声までも…

Eventideについて

創業50周年を迎えたEventide社は、1971年の創業以来、常に最先端のレコーディング技術を提供してきました。1975年には、世界で初めて市販されたデジタル・オーディオエフェクトユニット、H910 Harmonizer®を開発し、オーディオ業界に革命をもたらしました。それ以来、同社の伝説的なスタジオプロセッサー、エフェクトペダル、プラグインは、数え切れないほどのヒットレコードで聴くことができます。