2023年9月15日〜18日開催 IBC2023の最新情報をお伝えいたします。
Avid
IBC2023でのAvidブースは本気でした。
まず皆様にとって最も気になるPro Tools最新情報から。
現在Instagramサイト(https://www.instagram.com/p/CxEJJq3Nxc7/)でもチラ見せ(全見せ?)している『Pro Tools Sketch』は、当初Pro Toolsソフトウェア内に実装される機能だと考えられていましたが、なんとiPadバージョンもリリースされるようです。
会場内ではiPad Pro上で動作させ、注目を浴びていました。音楽制作をされているユーザーにとっては、大変気になる機能だと思いますが…、詳細は同社ホームページで登録すれば、なんらかの情報が得られるはずです。
https://connect.avid.com/pro-tools-sketch.html
そして技術プレビューとして年内を目標に開発中の機能が2つデモされていました。
既に速報としてFacebookにもお伝えさせて頂いたとおり、
1: Dolby Atmos Renderer の内蔵(インターナルレンダラー)
DAWとしては後発ですが、単なる内蔵レンダラーではありません!今までPro ToolsでDolby Atmosコンテンツを制作してきた方なら、その良さがはっきりとわかるはず!
まずIO設定には、外部のDolby Atmos Rendererを利用する場合と内蔵されたRendererを利用する際に、大きな手間だったIO設定が、なんとワンアクションで切り替えできるようになります。
この設定のおかげで、煩雑だったIO設定が簡易化するだけでは無く、IO設定自体の新たなメニューとしてもDolby Atmos Rendererが一括で設定できるようになりました。
2 : iZotope RX Spectral Editorの搭載
昨年より強化されてきた外部ソフトウェアとのシームレスな連携機能であるARA2。この機能実装は、この為にあったのでは?と思ってしまうほど、Avidの本気度を見て取れます。
なんとRXユーザーでなければ利用できなかったSpectral Editorが、標準機能として無償で実装されるのです。しかもそのエンジンはRX10に実装されている機能と同等とのこと。見慣れたスペクトラム表示の上には、これも見慣れた投げ縄ツールやマジックワンド等のアイコンも確認できます。勿論ここでノイズを除去すれば、エディットウインドウ上のクリップもリアルタイムに更新されます。
この2つの機能は年内を目標に開発しているとのことでした。
そして…Greatest AI! Avid Ada。
弊社としてはPro Toolsの最新ニュースだけでも大きな話題だったのですが、IBC2023における全てのブースよりも、衝撃が走ったのは、Avid AI、その名もAda。
既にMedia Composer 2023.8で搭載されたAI機能である『Script Sync』機能も超協力でしたが、AdaはそのAIを更に有効活用したものでした。
Media Central上でクリップされたコンテンツをAIで解析。コンテンツ上のスクリプトをテキスト化しMeta情報として検索することができるのですが、この際、日本語を含む多言語への自動翻訳も実装されました!国際的なコンテンツを扱うユーザーにとっては、大変素晴らしい機能だと思います。
またヘルプメニュー(使い方やサポート情報)もAIに質問すれば、なんでも答えてくれる機能も見れました。他メーカーでも積極的にAIを活用していますが、効果的に活用できるAiとしては、このAdaが一歩リードしていると思いました。
Media Composerのテックプレビューは、オンラインミーティングツールであるMicrosoft社のTeamsを内包したディレクションシステムをデモ。こちらも近年のリモート環境におけるコンテンツ制作方法を十分に理解したユニークな機能が満載。
指示する側のツールには、iPadでコンテンツに直接メモを残して指示。これを受けたエディターは、直感的に修正が可能になります。
またこれらのメモは、タイムライン上のマーカーとして追加されるので、編集速度も全く落ちません。同じスタジオ内で作業しているのと同環境が得られる素晴らしい機能だと感じます。
最後に…。
みなさんご存知の通り、Avidのニュースには不安を感じた方も居たでしょう。けどIBC2023においての答えは、明白で、よりスピーディーでユーザーが本当に欲しいものを正しく進めるメーカーになったのではないでしょうか?
IBC2023にはCEOのJeff Rosica氏も会場入りし、新たなAvidとしての意気込みを十分感じられました。