超低レイテンシーの伝送フォーマット 「DADlink」

DAD独自の新しいオーディオ・データ転送フォーマットが登場しました。

Penta720、Penta721s、AX64、AX Center、Core256、AX32などのユニット間で多チャンネルのオーディオデータを音質を維持した状態でレイテンシーゼロ*で伝送・双方向での制御を可能にします。
*100ナノセカンド未満

双方向光ファイバーとSFPを取り付けた mini MADIモジュール

mini MADIモジュールによりサポートされるDADlinkフォーマットと各種オーディオデータフォーマット

現在、DAD AX32、Penta 720および721s、DAD Thunder | Core 製品、そしてNTPが開発したAvid MTRX及びMTRX IIにはmini MADIモジュールをインストールできます。このモジュールには2つポートがあり、光または同軸SFPモジュールを取り付け可能です。

mini MADIモジュールをインストールしたベースユニットはMADIとNTP独自のFast Linkフォーマット(DAD、Hotlink)に対応し、DADmanソフトウェアでセットアップできます。DAD Thunder|CoreやAvid MTRX IIではポートごとにMADI・DADlinkフォーマットを選択可能で、DAD AX32、Penta、AVID MTRXではMADI、DADLink、Hotlinkの各フォーマットを選択できます。

DADman フォーマット選択画面

MADI

MADI形式を選択した場合、各ポートはMADI AES10規格準拠の48kHz 64双方向チャンネルに対応します。 SFPモジュールは光ファイバー相互通信用のオプティカルタイプと、同軸ケーブルによる電気通信用のmini BNCタイプがあります。インターフェースではタイムスタンプ情報を保持しません。レイテンシーは7サンプルのシステムでは2サンプルほどです。(48kHzの環境ではレイテンシーが187マイクロ秒です。)

DADlink

DADlink形式を選択した場合、各ポートはDADlinkのNTP独自規格に従って48kHz 128双方向チャンネルに対応します。DADlinkで扱うことのできる双方向チャンネル数はサンプルレートによって変化し、低いサンプルレートほど多くのチャンネルを扱うことができます。サンプルレートは384kHzまでサポートされており、その場合はSFPモジュールは光ファイバー相互通信用の1000Baseタイプ(1GB)が必要になります。

DADlink形式は、ベースユニットの内部処理解像度と1:1マッチングする28ビット浮動小数点解像度で、ユニット間のゼロレイテンシー(100ナノ秒未満)のデジタル相互通信が可能です。さらに全てのオーディオチャンネルは、全てのベースユニットのI/Oに搭載されている一般的なタイムスタンプシステムに対して透明性があるため、全ての信号が位相精度を保ち、1つまたは複数のユニット間のレイテンシーは7サンプルを実現します。

Hotlink

Hotlink形式を選択した場合、各ポートはHotlinkのNTP専用規格に従って、48kHz 128双方向チャンネルに対応します(サンプルレートは48kHzのみサポート)。Hotlink形式は24ビット固定小数点解像度でユニット間の低レイテンシー(10マイクロ秒未満)のデジタル相互通信を可能にします。さらに全てのオーディオチャンネルは、全てのベースユニットのI/Oに搭載されている一般的なタイムスタンプシステムに対して透明性があるため、全ての信号が位相精度を保ち、1つまたは複数のユニット間のレイテンシーは7サンプルを実現します。

DADLink機能説明

DADlink形式はベースユニットのデジタル処理システムの「中心」に直接接続されたデジタルオーディオ信号の拡張とも言えます。ユニット間で最大128の双方向チャンネルを利用可能で、インターフェースに大きな遅延を発生させません。どのベースユニットでも、すべてのアナログまたはデジタル入力インターフェースの入力信号に追加されるタイムスタンプデータを完全に透過させることができます。

内部的には、全てのベースユニットにおいて、ルーティングやモニターコントロール、サミング、SPQを通してユニット内に実際に確立されたルーティングや処理経路に関係なく、オーディオ信号は100%正確な位相を提供するシステムが搭載されています。このシステムでは、タイムスタンプを保持するインプット信号と、その信号をシステムディレイと同等のレイテンシーにアライメントするバッファーを持つアウトプットインターフェースが必要になります。システムディレイはDADman上で自由に設定することができます。通常時の設定は7サンプルです(48kHzにおける145マイクロ秒、96kHzにおける72.5マイクロ秒です)。

複数のユニット間でDADlinkを使用する場合、信号の最大解像度と全てのサンプルレートに対応した上記のメカニズムが保証されます。

あらゆるユニットが相互接続されたシステムでは、全てのユニットが同じクロック/タイムスタンプのリファレンスを共有する必要があります。そのため、ユニットの1つをクロックマスターとして、他のユニットはDADlinkの入力に同期するよう設定します。この情報はDADlink接続を介してすべてのユニットへ自動的に送信されます。

下図はDADlinkで接続されたシステム内のユニット例です。

DADlinkシステム相互接続

DADlink 製品情報