「Matchbox(マッチボックス)」はポストプロダクション作業を行う全ての方を対象とした映像編集バージョン比較管理ソリューションです。
プロダクト紹介
最大火力のマッチがここに。
「Matchbox(マッチボックス)」は2つのバージョンが存在するリールやエピソードを比較して、カットの変更やVFXの微調整、セリフのズレ等を全て検出し、それらの相違点を明らかにします。そして損傷部分を報告したり、サウンドミックスやコンポジット作業、セリフや字幕、その他映像として作成されたあらゆるものをリタイムします。
Matchboxはエミー賞を受賞したサウンドエディター向けのリコンフォームツールであるConformalizer 4の多くを継承していますが、編集バージョンの比較管理とは何かを完全に再考し、最先端の技術とハンドロールアルゴリズムを使用して一から設計された全く新しい製品です。
主な機能
ほとんど全ての素材を編集バージョンの比較対象にすることが可能
映像編集バージョンを比較するには、AAF、EDL、XML、変更ノートの他、実際のリファレンス動画ファイルやガイド音声等、Matchboxが対応している素材のいずれかを編集者から受け取っていれば十分です。 あとはそれらの素材を全てMatchboxに放り込んで、マッチするものが見つけられるかどうかMatchboxに確認してもらうだけです。 セリフのガイドオーディオやビデオトラック、オーディオトラック、リファレンスムービーファイル、またはそれらを任意に組み合わせて検索することができます。
聴覚と視覚による編集バージョンの比較が可能
Matchboxは新しいリールの全ての映像にマッチするものをおおまかに、時に懸命に探しますが、ひとたび探し当てた後は マッチした映像の全ての領域の中にある小さな違いを注意深く探すようになります。あとは目を見開き、耳をそば立てて、Matchboxが見つけ出した小さな違いが重要なものかどうか吟味するだけです。
編集バージョンの相違点をわかりやすい形で表示可能
確かにMatchboxはリコンフォームの手順を自動化することができますが、編集する方にとっては、まず最初に何が損傷しているか、わかりやすい言葉で一目で理解できる形として知りたいことと思います。Matchboxは変更点をまとめたり、関連情報もメールにまとめてポストプロダクション作業を行うチーム全体で共有したりすることができます。
アップデート情報 〜Matchbox 2 新機能紹介〜

- Pro Tools に完全統合されたリコンフォーム機能
古い Matchbox Helper プラグインや、キー操作に頼った不安定なリコンフォームはもう過去のもの。
Matchbox は Pro Tools と密接に統合され、圧倒的な安定性と高速性を実現しました。さらに、新たに追加された強力なツールによって、作業再開時の動作がスムーズになりました。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- Pro Toocls Smart-Conform機能
Smart-Conform は、クリップ単位で精密にリコンフォーム処理を行う機能です。これにより Matchbox は、カットにまたがるフェードを保持しつつ、細かい「コンフォームの断片」を綺麗に整理してくれます。
その結果、毎回のリカット後に発生する面倒な後処理作業が、何時間(あるいは何日分!)も削減されるのです。
(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- リコンフォーム・マーカートラック
インサートや削除が行われた箇所や VFX の追加箇所、カットやシーンの開始・終了位置などを示す視認性の高いマーカーを自動で追加します。また、特定のマーカーを自由に移動させることもできるため、用途に応じたマーカーラインを作成することが可能です。例えばセッション全体にわたる VFX の追加箇所を一目で把握することも容易になります。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- Cue Pro との連携
Non-Lethal-Applications の新ツール Cue Pro は、ADR のスポッティングや録音をこれまで以上に簡単かつ直感的にしてくれます。もちろん、Pro Tools セッションと同様に、Cue Pro やADR Master のタイムラインも Matchbox から直接リコンフォーム可能です。
- DAW 上で旧カットと新カットを素早く切り替え
セッションのどこからでもワンクリックで前のカットと同じショットへジャンプできるため、リコンフォームを調整しつつ以前のバージョンの確認も素早く行えます。また、イベント全体を新しいカットと完全に同期した状態でコピー&ペーストすることも可能です。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- Follow DAW モード
黄色い「足跡」ボタンをオンにすると、Follow DAW モードが有効になります。このモードでは、Matchbox が Pro Tools のタイムライン位置に追従し、作業中のシーンにおける旧カットと新カットを常に横並びで比較できます。
たとえば、VFX の変更によって銃声のタイミングがズレていないか不安なときも、Matchbox を見れば変更点が赤くハイライトされ、ひと目で確認できます。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- Solo Focus モード
Pro Tools に新しい Solo モードを追加しました。このモードでは、選択したものが即座に自動でソロ状態になります。要素を単体で再生して確認したい際に便利です。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- 映像マッチング機能が大幅に向上
カラーグレーディング、ズーム、クロップ、ラック、回転、VFX の変更に即座に対応します。そのマッチング能力は驚くほど高く、映像のみの比較でも、EDL や AAF を使うのと同等以上の精度を期待できます。
- 差分検出エンジンを再設計
映像と音声の差分検出機能が全面的に見直され、カラーグレーディングやコーデックノイズ、微細な音量変化にも柔軟に対応できるようになりました。さらに、重要度の低い差分を除外できるリアルタイムのしきい値調整機能も搭載しています。
- DAW 上で不一致クリップをまとめる
ダイアログのエディットでは、新しいバージョンのフィルムが届くと、通常はリコンフォームを行い、続けて新しい AAF をインポートして、映像エディターが新たに追加した音声クリップを取り込む必要があります。この作業は非常に手間がかかり、監督がストーリーのために追加したオフスクリーンのセリフを見逃すリスクも伴います。
Matchbox は、旧 AAF と新 AAF を比較し、新たに追加された音声を Pro Tools に直接送信します。トラック上に配置して、すぐにミックス作業に取りかかることが可能です。(PTバージョン25.6 以降 が必要です)
- 編集用オーディオへのマッチバック
AAF がまったくない場合や、メタデータがすべて失われた厄介な「埋め込み型」AAF の場合、編集用のオーディオタイムラインを組み立てることは非常に難しいです。
Matchbox は、統合されたダイアログガイドトラックだけを用いて、膨大なプロダクションメディアの中からマッチングを行い、Pro Tools に直接送れる編集タイムラインを自動生成できるようになりました。さらに、AAF の単一セリフから類似する別テイクや発話を探し出すことも可能です。まさにこれは、サウンド編集の“聖杯”と言える機能です。
- 映像編集のための自動アイマッチング
トレーラー編集のレンダリング済み MP4 を使って、コレクション内の映像ソースと視覚的にマッチするものを探し出せます。あるいは、テレビCMのオフラインレンダーはあるが使用したショットの詳細を示す EDL がない場合でも、ショットのフォルダを指定すれば自動でコンフォームを構築してくれます。
作成されたタイムラインは、OTIO や EDL として書き出し可能で、Media Composer やその他の NLE で読み込めます。もうアイマッチングに悩む必要はありません。
- レンダリング済みの映像からEDLを生成可能に
Matchboxはレンダリングされた映像をショットごとに分割し、画像から直接取得したソースタイムコードやクリップ名を元にEDLを生成することができます。この機能が必要になる場面はそう多くはありませんが、いざという時に大いに役立つでしょう。
- Media Composer で旧テンポミックスをコンフォーム
綺麗に仕上げられたダイアログミックスがサウンド部門から届いたが、実は編集室の最新バージョンより2つも前の段階だった…という経験はありませんか?すべての編集を手作業で確認し直す代わりに Matchbox を使えば古いオーディオを現在のバージョンに合わせて自動でコンフォームできます。Matchbox でイベントの EDL を書き出し、それを NLE に読み込んで、該当するオーディオファイルにリンクさせるだけです。
■ 動作環境
| Mac/PC | macOS 10.15/Windows 10/11 |
|---|---|
| プラグインフォーマット | AAX AudioSuite (64-bit)のみ対応(VST, Audio Unitは非対応) |
| 互換性のあるホストアプリケーション |
Avid Pro Tools:バージョン12.0以上(2025.6以上を推奨、高フレームレート対応はバージョン2020.6以上が必要となります) Avid Pro Tools PTSL:バージョン2025.6以上 *Window版のバージョン2022.6及び2022.7は非対応です。 Steinberg Nuendo:バージョン11 - 13 Foundry HIERO: バージョン12(v1.4.20以降で対応)、バージョン13は非対応です。 |
■ ライセンス形式
| iLok形式 | iLok 2/3 USB (別売) もしくはiLokクラウド、iLok License Managerでのマシンオーソライズを使用したライセンス認証 。 |
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MatchBox 2 における不具合に関して 2025.07.08
Matchbox2 (v2.0.18)にて、言語設定が日本語に設定されたProTools上でMatchbox2のScripting APIを有効にすると、リコンフォームが正常に行われない不具合が発生しております。
修正版がリリースされるまでは、以下の方法でご利用ください。
* バージョン2.1.1にて改善されております。The Cargo Cultダウンロードページからインストーラーを入手いただけます。
(ProToolsのバージョンも25.6 以降が必要です。)
(2025年8月27日時点)
▽Matchbox2の新機能を使用したい場合
ProToolsの言語設定をEnglishに変更後、Matchbox2にてProTools Scripting API を有効にしてください。
▽ProTools の言語設定を日本語のままMacthbox2を使用したい場合
Matchbox2にてProTools Scripting API を無効にしてください。※Macthbox2で追加された一部機能が利用できません。
●タックウェビナーVol.2「The Cargo Cult - Matchbox をどう使う?」アーカイブ動画









